こんにちは!もちぬん(@mochinunblog)です。
数あるサイトの中から見にきてくださり、ありがとうございます!
今回は、「もしも」の事態で生活が苦しくなった時や、金銭面で助けが必要になったときに役立つ公的制度についてお話しします。
使えるはずなのに適用されていない公的制度とは?
タイトルの使えるはずなのに適用されていないってどういうこと?と思われたかと思います。
公的制度は、自分から何かアクションを起こさなくても勝手に適用されているものと、自分から申請しないと適用にならないものがあります。
なんだかちょっとイジワルな感じがしますが、行政側は個人情報を本人の同意なしに勝手に見ることができないので、制度の適用になる人全員を把握して「この制度使えますよ」とお知らせするということはできない決まりなのです。
もちろん自分で制度の適用を申請して、要件を満たしていると認められれば、不利益を被ることなく制度を利用できますので、安心してください。
そして、このような自分から申請しなければならないタイプの公的制度には、ご自身やご家族の病気や事故など「もしも」の時に力を発揮するものがたくさんあります。
ですが、そんな非常事態が起きているとき、何か使える制度はないか…と自力で探すことはなかなか厳しいですよね。
この記事でご紹介する制度は、そのような状況できっと役に立つものですので、こんな制度もあるんだな〜と頭の片隅にでも置いていただけたら嬉しいです。
重度心身障害者医療費助成制度
この制度は、身体や精神に障がいがあり、手帳を交付されている方が対象になります。
各自治体によって手帳の名称や等級の表し方が異なりますが、おおむね以下の方が制度を受けることができます。
- 身体障害者手帳1級・2級の交付を受けている方 (3級でも該当の場合あり)
- 療育手帳の交付を受けている方
- 精神障害者保健福祉手帳1級の交付を受けている方
※ 一部、年齢や所得の制限があります。詳細はお住まいの市区町村にご確認ください。
お住まいの市区町村の福祉関係・医療費関係を担当する部署がこの制度を申し込む窓口です。
この制度が適用になると、入院・通院共に自己負担上限額が定められ、医療費の負担をグッと減らすことができます。
自立支援医療制度
自立支援医療制度は、「精神通院医療」「更生医療」「育成医療」の3種類の助成が設けられています。それぞれ対象になるのは以下の方です。
- 精神通院医療:統合失調症などの精神疾患を有する方で、通院による精神医療が継続的に必要な方
- 更生医療:身体障害者手帳の交付を受けた方で、その障害を除去・軽減する手術等の治療により確実に効果が期待できる方(18歳以上)
- 育成医療:身体に障害を有するお子さんで、その障害を除去・軽減する手術等の治療により確実に効果が期待できる方(18歳未満)
※ 一部、世帯の状況の確認や所得の制限があります。詳細はお住まいの市区町村にご確認ください。
いずれも自治体の福祉・子ども政策担当部署が窓口になっていますので、お住まいの自治体の担当部署に申請します。
審査の結果、制度に該当すると認められた場合は受給者証が交付されます。これを医療機関に提示すると、窓口で支払う自己負担額が1割になります。
また、加入している健康保険や世帯の住民税の課税状況などにより、ひと月の負担上限額が定められる場合があります。
申請される方によって必要な書類が異なることがありますので、初めて申請する場合はまずは主治医に相談のうえ、お住まいの市区町村の担当部署に問い合わせることをお勧めします。
更新が必要
この制度を継続して受けるためには、受給者証に定められた有効期限までに継続更新の手続きをしなければなりません。
有効期限として記載されている日にち当日までは更新可能なので、余裕を持って更新の準備をしましょう。
病院の都合で診断書の発行が遅れるとか、事情があって更新のため窓口に行けない等の場合は、一度担当の部署に確認してみることをおすすめします。
有効期限が切れてしまった場合
もし自立支援医療受給者証の有効期限が切れてしまった場合、期限切れの受給者証では自己負担額の減額ができません。
期限が切れた後に再度受給の手続きをする場合は、新規申請と同様の扱いになり、必要な書類が更新の場合とは異なることがあるので、病院と担当の部署にそれぞれ確認してください。
特別児童扶養手当
身体・精神に障がいがある20歳未満のお子さんがいる方は、お子さんの障がいの程度に応じて特別児童扶養手当を受給することができます。
この制度も、自分で確認し、申請しないと受給することができません。
病院によっては「該当するかもしれないから、自治体の担当に確認するように」と促すところもあるようです。
また、お子さんが施設に入所している場合や、親や養育している方とお子さんが離れて暮らしている場合は、手当の受給ができないことがあります。
申請される方の世帯や所得の状況によってはそもそも受給不可だったり、申請に必要な書類を揃えるのに時間がかかったりすることがあるので、初めて申請をする時はお子さんの主治医に相談し、自治体の担当部署と連携をとった上での申請がスムーズです。
手当額について
手当の金額は、1級・2級と2段階になっています。
手当額は数年おきに見直しされていますが、概ね以下の通りです。
- 1級 52,000円程度
- 2級 34,000円程度
毎月支給ではなく、4ヶ月分を4月、8月、12月にそれぞれまとめて振り込まれます。
お子さんが障害者手帳をお持ちの場合でも、手当の等級と障害者手帳の等級が必ずしも同じになるというものではありません。
他の手当との併給
特別児童扶養手当は、以下の子ども関係の他の手当と併せて受給することができます。
- 児童手当(中学校修了前の子どもの養育者に支給されるもの)
- 児童扶養手当(18歳到達後最初の3月31日までのこどもを養育している母子・父子家庭などに支給されるもの)
子育てに関する制度は、名前が似たものが複数あってわかりにくいですよね…
受給を継続するためには更新の手続きが必要
所得状況届(現況届)
特別児童扶養手当は、お子さんを扶養する世帯の所得状況によっては受給ができない場合があると最初にお伝えしました。そのため、所得状況や世帯の状況を報告する手続きが毎年あります。
また、お子さんが進学によって親元を離れたり、養育する方が変わっている場合などは、併せて提出しなければならない書類があります。
お知らせの書面が届いたら期日までに忘れずに手続きを行いましょう。
有期更新
お子さんの障がいの状況について、原則2年に1度再確認する必要があります。これを有期更新の手続きと言います。
有期が近くなるとお知らせを送付している自治体が大半だと思いますが、受給者証に記載されている期日までに余裕を持って準備をしておきましょう。
主治医の先生と事前に相談し、更新のための診断書を作成してもらうようにしましょう。また、所得状況届と同様に、これまでと届出の内容が変わっているようなら、事前に市区町村の担当部署に確認してください。
社会福祉協議会の一時的な資金貸付
市区町村の社会福祉協議会が窓口となって、資金の貸付を行なっています。
貸付を受けられる低所得世帯、障害者世帯、高齢者世帯等世帯単位に、それぞれの世帯の状況と必要に合わせた資金の貸付が受けられます。
- 低所得世帯:資金の貸付けにあわせて必要な支援を受けることにより独立自活できると認められる世帯であって、必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯(市町村民税非課税程度)
- 障害者世帯:身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者(現に障害者総合支援法によるサービスを利用している等これと同程度と認められる者を含みます。)の属する世帯
- 高齢者世帯:65歳以上の高齢者の属する世帯(日常生活上療養または介護を要する高齢者等)
資金の使い道としては、就職に必要な知識・技術等の習得や高校、大学等への就学、介護サービスを受けるための費用等です。
貸付にかかる利率は、連帯保証人を立てる場合は無利子、連帯保証人を立てない場合は年1.5%です。
また、社会福祉協議会では、資金の貸付と同時に生活全般の困りごとに関しても包括的な支援を行なっています。
詳細はこちらの全国社会福祉協議会のページをご確認ください。
キャッシングや消費者金融で10%を超える利率で借りてしまう前に、福祉制度に頼るという選択肢があることを知っていただけたらと思います。
まとめ
今回の記事では、知っていると役立つ「もしも」の時に役立つ公的制度についてお話ししました。
自分から申請しないと適用されないなんてイジワルだなあと私自身も思っていましたが、実際、制度があることを知る機会がなく利用できなかったという方から「なんで誰も教えてくれないんですか!?」と怒りをぶつけられたことがありました。
お怒りになる気持ちもよくわかります。
行政や病院、どこにも「制度の該当になりそうな人に教えてあげる義務」はなく、個人情報の取扱いが絡む関係上、自分で調べるか運よくどこかで知る機会がなければ、制度の存在すら知らないまま…ということになってしまいかねないのです。
この記事をきっかけに、公的制度の存在を知り、生活の苦しさから抜け出すことができる方が増えてほしいと願っています。
今回の記事は以上になります。わからないことなどありましたら、お気軽にお問い合わせフォームやもちぬんのTwitterにお気軽にご連絡ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!