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管理人のもちぬん(@mochinunblog)です。
見守り担当、くまだよ
今回の記事では、パキポディウム・レウコキサンツム、和名では恵比寿笑の播種(種まき)から苗くらいの大きさになるまでの過程をまとめたいと思います。
これまでご紹介してきたパキポディウムたちとは異なり、横に平たく成長する不思議でちょっと可愛い形の植物です。
発芽までの日数や管理方法、原産地の気候をリサーチして考案した、発芽・健康な生育のための温度や湿度管理についてもお話しします。
- パキポディウム・レウコキサンツムの生育過程(写真付き)
- 自生地の気候、健康に育てるために気をつけること
- パキポディウム・レウコキサンツムの実生に挑戦する方
- ブレビカウレ、レウコキサンツムの実生がうまくいかなくてお困りの方
パキポディウム・レウコキサンツムの基本情報
パキポディウム・レウコキサンツムと同類で「パキポディウム・ブレビカウレ」という種類のものもあります。
両者の違いは、咲かせる花の色。
レウコキサンツムは白〜クリーム色の淡い色、ブレビカウレは黄色い花を咲かせます。
原産地 | マダガスカル中部の山岳地帯「Itremo」 |
属名 | キョウチクトウ科・パキポディウム属 |
成長期 | 夏(夏に成長する) |
休眠期 | 冬(寒さには比較的強い) |
日光 | とても必要 |
発芽しやすい条件 | 現地の気候に合わせる (検証中、難しい) |
実生の難易度 | 難しい |
ある程度大きくなるとこのような姿になります。
上じゃなくて、横に広がって大きくなるんだって。
生姜みたいってみんな言ってるの聞いたことあるよ
パキポディウム・レウコキサンツム 種まきから発芽まで
実は今回が初めての播種ではなく、以前レウコキサンツムと同じ仲間のブレビカウレの実生にも挑戦していました。
しかし、その時は発芽の兆候は見られたものの、芽が出ないまま溶けてしまったため、今回レウコキサンツムでの再挑戦になります。
種まき前の下準備
他のパキポディウムたちと同様、カビ対策を念入りに行いました。
使用した薬品類はこちらです。
パキポディウム・レウコキサンツムの種まき
播種日は7月17日です。
土の消毒方法はこちらの記事と同様です。
今回は育苗ポットではなく、こちらのサイズの鉢に間隔をあけて植えました。
腰水についてもこれまでのパキポディウムたちと同様に、殺菌剤と発芽促進剤の混合液を使用しました。
通常、パキポディウム系の発芽には温度がかなり重要なのですが、今回のレウコキサンツムはちょっと一癖あります。
パキポディウム・レウコキサンツムは「乾燥した山岳地帯」に自生するので、温度も湿度もそれほど高くないのです。
マダガスカルと聞くと暑そうなイメージを持つのですが、
最近の日本の最高気温よりはるかに低いです。
詳しい検証データは下にあるからぜひ読んでいってね!
パキポディウム・レウコキサンツムの発芽の様子
一番最初の種子の発芽日は7月21日です。
播種から1週間ほどで発芽し始めました。
全部で20個の種子を蒔きましたが、発芽したのは7個。
発芽率は35%でした。
発芽率が他のパキポディウムよりかなり低い…
難しいです…
気難し屋さんなんだね
発芽までに行ったこと&現地気候のリサーチ
播種してすぐにカビが発生した種子があったので早急に取り除き、他の種子にうつらないよう管理しました。
ブレビカウレの時に一つも発芽せず悲しい思いをしたので、今回は種子の故郷の情報をよくリサーチして発芽管理を行いました。
パキポディウム・レウコキサンツムは、マダガスカルの首都アンタナナリボから南に位置するイトレモ山地が原産地です。
イトレモ山地の標高は1,400〜2,000メートルくらいです。
日本では越後山脈の駒ヶ岳が標高2,003メートルです。
つまり、登山で登るような山の上が故郷ということだね…
標高が高い場所に自生するということは、気候区分で言うところの高地気候、乾燥して冷涼な気候に自生していると仮定しました。
気温や雨量についてもみてみましょう。
マダガスカルの首都「アンタナナリボ」とイトレモ山地より南に位置する「フィアナランツォア」という都市の気候を参考にしてみました。
この二つの都市のちょうど真ん中くらいに位置していること、イトレモ山地の標高が高いことから、気温はこの2つの都市よりももう少し低いと想定しました。
そして重要なのが、最高気温のグラフ。夏場でも日本より低いです。
日本での栽培難易度が高いのは、レウコキサンツムにとって日本の蒸し暑い気候は快適ではないからなんですね…
レウコキサンツムの生育環境を現地の気候に合わせてみた
じゃあ、レウコキサンツムにとって快適な環境を作ってしまえ!と考えました。
成長期の夏に合わせた環境を用意すれば発芽するかな?と考え、気温は高すぎず、湿度も上げすぎず、といった微妙なラインを維持してみました。
夏でも屋内で冷房をつけていれば、現地の最高気温くらいを維持できますし、腰水のみでライトなどで温めなければポット内が多湿になることもありません。
現地の気候に合わせていく方法はまだまだ試行錯誤中ですが、前回全滅だったことを踏まえると、今回35%の発芽率だったのは、ちょっとは効果があったかな?と感じています。
今後も植物の原産地の気候についても勉強しつつ育成していきたいと思います。
雨温図…久しぶりに見ました。
「雨温図」って言葉自体忘れてて、「気候 グラフ」とか調べてたの見たよ…
くま、そういうことみんなの前で言わないの!
パキポディウム・レウコキサンツム成長の様子
こちらは発芽から約3週間後の様子。
小さいながらに、葉っぱに個性が出ていますね。
レウコキサンツムは成長がゆっくりな植物なので、気長に成長を見守ろうと思います。
まとめ
今回の記事では、パキポディウム・レウコキサンツムの実生の経過、原産地の気候に近づけて発芽させる方法についてお話ししました。
塊根植物は原産地がすごい僻地であることが多く、そもそも正確な気温などのデータがないことが多いですが、今後も付近の気候やデータをもとに推測しながら実生に取り組んでみたいと思います。
今回の記事は以上になります。わからないことなどありましたら、お気軽にお問い合わせフォームやもちぬんのTwitterにお気軽にご連絡ください。
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